星に生きる
星が爆発するという想像をはるかに超えた现象に强い衝撃を受けました。
そこから一気にのめり込んでいきました。
ご自身の研究について
简単にお闻かせください。
私は天文学、つまり「宇宙で何が起こっているのか」を理解するための学问を研究しています。中でも特に関心を持っているのが、星が爆発する现象です。夜空の星はいつも変わらず辉いているように见えますが、その一部は一生の终わりに大爆発を起こすことが知られています。これを「超新星爆発」と呼びます。
星の爆発そのものも非常にダイナミックで兴味深い现象ですが、私が超新星を研究している一番の理由は、私たちの身の回りにある元素がどこから来たのかを知りたいからです。
私たちは日常生活の中で、さまざまな元素に囲まれて暮らしています。今この瞬间も、窒素や酸素を吸い込んでいますし、この建物は鉄を使ってでできています。しかし、こうした元素は宇宙の始まりには存在していませんでした。元素は星の内部で作られ、星が爆発するときに宇宙空间へと放出され、その积み重ねの结果、现在の宇宙、そして私たちの地球が形作られているのです。
子供の顷から
宇宙や天体に兴味があったのですか?
いいえ、それほどありませんでした。若い顷はロック音楽やギター演奏に梦中で、野球などのスポーツにも打ち込んでいました。望远镜を持っていたわけでもなく、将来、科学に人生を捧げることになるとは想像もしていませんでした。
ただ、名古屋近郊の自然の多い场所で育ったため、外で过ごす时间は长かったですね。振り返ってみると、気づかないうちに夜空に辉く星々が自分のそばにあったのだと思います。
どのようにして
天文学の道に进むことを决めましたか?
大学に入学した当初は、宇宙工学を専攻するつもりでした。ただ、さまざまな讲义を受けるうちに、自分が本当に惹かれているのは工学ではなく、宇宙そのものの深远な谜だと気づき、天文学の道を选びました。
超新星爆発や元素の起源について初めて知ったとき、星が爆発するという事実そのものが想像をはるかに超えていて、强い衝撃を受けました。そこから一気に研究にのめり込んでいきました
一般の人が惊くような、
宇宙の话を教えてください。
地球には金やプラチナといった高価な金属がありますが、実は、それらの元素がどこで作られたのかはよく分かっていません。この谜こそが、私が解き明かそうとしているテーマです。つまり、「宇宙のどこで、どのような现象が起こり、どのような元素が生み出されてきたのか」という问いです。
このような重元素は、「中性子星」と呼ばれる星同士が衝突することで作られた可能性があると考えられています。この激しい衝突によって大量の元素が宇宙空间に放出され、それが长い时间をかけて混ざり合い、やがて太阳や地球が形成された、ということです。私は、その合成现场を明らかにすることに最も関心を持っています。
Image courtesy of Tohoku University and Studio Xxingham
Image courtesy of Tohoku University and Studio Xxingham
星はどれくらいの频度で爆発するのですか?
私たちの太阳系は非常に多くの星が集まった「银河」の中にあります。そして、宇宙には无数の银河が存在しています。その一つ一つの银河では、およそ100年に一度の割合で超新星爆発が起こると考えられています。
现代の望远镜は非常に高性能で、多くの银河を同时に観测できます。そのため、现在では毎年およそ3,000个もの超新星爆発が観测されています。
一般の人でも
自宅から星の爆発を见ることはできますか?
はい、実は多くのアマチュア天文学者が超新星爆発(厂耻辫别谤苍辞惫补、スーパーノヴァ)の発见に贡献しています。「ノヴァ」は「新しい星」を意味し、超新星は空に突然现れた新しい星のように见えます。
私たちは望远镜を使って夜空を継続的に観测し、大量の画像を撮影して、前の日や前の週にはなかった天体を探しています。原理的には肉眼でも见ることは可能ですが、肉眼で确认できるほど明るい超新星は、非常にまれです。
星は仕事の対象ですが、
それでも魅了されますか?
はい、もちろんです。星は単なる研究対象ではなく、私にとっては人生の一部です。夜空に星を见ると、自然と天文学のことを考えさせられます。
普段はどのようにリラックスしていますか?
研究のことを忘れようとはしていますが、正直なところ、なかなか难しいですね。気分転换のために体を动かそうと思い、毎週末ジムに行って走っています。ただ実际には、ほとんどいつも研究のことを考えている気がします。
名古屋のご出身ですが、
どのようにして仙台に来られたのですか?
最初は东京に行き、东京大学で博士号を取得しました。その后、国立天文台で研究を行っていました。2018年に东北大学から声をかけていただいた际、学生と一绪に研究できる环境に大きな魅力を感じ、仙台に来ることを决めました。国立天文台では研究者同士で议论する日々でしたが、现在は学生と共に研究を进める时间が多く、とても充実しています。
东北大学は天文学を学ぶのに良い场所ですか?
もちろんです。ここには、それぞれの分野で优れた研究を行っている教员が集まり、非常に强力な研究グループが形成されています。私は爆発する星を研究していますが、他にも惑星形成や银河进化など、幅広いテーマに取り组む研究者がいます。研究対象のスケールや手法はさまざまで、その多様性が大きな刺激になっています。何気ない会话から新しいアイデアが生まれることも少なくありません。
写真:すばる望远镜の広视野カメラによる天体画像。远い宇宙で発生する星の爆発(超新星爆発など)を捜索する目的で収集されたもの。
田中 雅臣
田中雅臣教授は天文学者で、超新星爆発や中性子星合体といった宇宙の爆発现象を研究しています。望远镜による観测とコンピューターシミュレーションを组み合わせ、これらの现象に潜む物理过程を解明してきました。
近年は中性子星合体に注目し、観测データから重元素の起源を探る研究を进めています。2017年には、史上初めて観测された中性子星合体の解釈において重要な役割を果たし、これらの现象が金やプラチナといった重元素を生み出すことを明らかにしました。
重元素の起源に関する一连の研究により、2019年には科学技术分野における文部科学大臣表彰を受赏。アウトリーチ活动にも积极的に取り组んでおり、超新星爆発(2015年)やマルチメッセンジャー天文学(2023年)に関する一般向け书籍も执笔しています。

Translation: Waka Kuchimachi
Romance
of
Research