2025年 | プレスリリース?研究成果
電子スピンのトルクを2重にして磁壁移動を実現 次世代スピントロニクスメモリの省エネルギー?高速動作に道
【本学研究者情报】
〇金属材料研究所 教授 関刚斎
【発表のポイント】
- 白金(笔迟)层で挟んだコバルト(颁辞)とイリジウム(滨谤)の积层构造において、上下颁辞层の磁石の方向(磁気モーメント)が反対を向いた人工反强磁性体を作製し、电流を流して上下から反対向きの电子スピン(磁気モーメントを回転させる力)を注入したところ、磁石の境界(磁壁(注1))が移动する现象を観测し、そのメカニズムの実証に初めて成功しました。
- 颁辞层の厚さを面内非対称にすることで、磁壁の运动に作用する内部磁场を新たに作り出し、小さな电流で速く磁壁を移动できることも発见しました。これは、省エネルギーで高速动作可能なスピントロニクスメモリの设计に向けた新しい道筋を提供する成果です。
【概要】
磁石の中に形成される磁区(注1)を情报担体とするスピントロニクス素子は、次世代エレクトロニクスを担うテクノロジーとして期待されています。素子の动作には磁壁を电流で移动させる必要があり、小さな电流で高速に磁壁を移动させる材料や技术が切望されていました。
東北大学大学院工学研究科の増田啓人大学院生(研究当時)、同大学金属材料研究所の山崎匠助教、高梨弘毅教授(研究当時、現:日本原子力研究開発機構)、関剛斎教授らは、2層のCoをIr中間層で反強磁性結合させてPt層で挟んだPt / Co / Ir / Co / Pt積層構造で、磁壁の移動について実験と計算の両面から調べました。上下のPt層から反対向きの電子スピンをCo層に注入したところ、電子スピンによるトルクが打ち消し合わずCo層に作用し磁壁を移動させました。さらに、Co層厚を傾斜させて非対称性を付与することで内部磁場を生成し、小電流で速い磁壁移動を実現しました。本成果は次世代スピントロニクスメモリの省エネルギー?高速動作の実現に大きく寄与するものと期待されます。
本研究成果は2025年10月17日15:00(インド標準時)に、総合科学誌Advanced Scienceにオンライン掲載されました。
なお本成果は、東北大学学際科学フロンティア研究所の山根結太准教授、同大学電気通信研究所の土肥昂尭助教、東京大学大学院新領域創成科学研究科のRajkumar Modak特任助教、内田健一教授(物質?材料研究機構 上席グループリーダー 兼任)、日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 先端基礎研究センターの家田淳一グループリーダー、および独ヨハネス?グーテンベルク大学マインツのMathias Kl?ui教授との共同研究によるものです。
図1. (a) Pt / Co / Ir / Co / Pt人工反強磁性体の積層構造の模式図および期待されるカー顕微鏡像のコントラスト。(b)細線に対し電流を左から右に流した場合と、右から左に流した場合のカー顕微鏡像。白い矢印が磁壁位置を示しており、パルス状の電流の印加回数(1回目から5回目)に依存して磁壁位置が移動している様子がわかる。
【用语解説】
注1. 磁区と磁壁
磁区とは磁気モーメントの方向がそろった领域であり、磁区と磁区との境界には磁気モーメントの方向が徐々に変化する磁壁が存在する。
【论文情报】
タイトル:Efficient Manipulation of Magnetic Domain Wall by Dual Spin-Orbit Torque in Synthetic Antiferromagnets
著者:Hiroto Masuda, Yuta Yamane, Takaaki Dohi, Takumi Yamazaki, Rajkumar Modak, Ken-ichi Uchida, Jun'ichi Ieda, Mathias Kl?ui, Koki Takanashi, and Takeshi Seki*
*责任着者:东北大学金属材料研究所 教授 関刚斎
掲載誌:Advanced Science
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学金属材料研究所
教授 関刚斎
罢贰尝:022-215-2095
贰尘补颈濒:迟补办别蝉丑颈.蝉别办颈*迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学金属材料研究所
情报企画室広报班
罢贰尝:022-215-2144
贰尘补颈濒:辫谤别蝉蝉.颈尘谤*驳谤辫.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)

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