2025年 | プレスリリース?研究成果
遠方銀河の二層円盤構造の同定に初めて成功 幅広い宇宙年代にわたって円盤銀河の発達過程が明らかに
【本学研究者情报】
〇大学院理学研究科 天文学専攻
特任研究員 津久井 崇史(つくい たかふみ)
【発表のポイント】
- ジェイムズ?ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope:JWST)(注1)がとらえた大规模観测データを解析し、これまで不可能だった远方银河において二层円盘构造(薄い円盘?厚い円盘)を同定することに成功しました。
- 最大114亿年にさかのぼる宇宙の様々な年代に存在した111个の银河を解析した结果、宇宙初期には厚い円盘のみを持つ一层构造の银河が多く、时が进むにつれて薄い円盘が加わり、二层円盘构造を持つ银河が増えていく倾向が明らかになりました。さらに、厚い一层円盘构造を持った银河から、その内侧に薄い円盘が形成されることで、二层构造へと进化する过程も明らかになりました。
- 天の川银河(注2)と同程度の質量を持つ銀河では、一層構造から二層構造への移行が約80億年前に起きたことがわかりました。これは、星の年齢から推定されている天の川银河における薄い円盤の形成時期とおおよそ一致しています。
【概要】
现在の宇宙にある多くの円盘银河は、若い星からなる薄い円盘と年老いた星からなる厚い円盘の「二层构造」を持っています。しかし、これまでの二层构造の観测は近くの银河に限られており、その形成过程は天文学上の大きな谜でした。
东北大学大学院理学研究科の津久井崇史研究員を中心とする研究チームは、ジェームズ?ウェッブ宇宙望遠鏡の観測データを使い、最大100億年前にさかのぼる広範な宇宙年代にわたって存在した44個の銀河で二層構造を同定しました。銀河の過去の姿を直接捉えることで、銀河がまず厚い円盤を形成し、その後、内側に薄い円盤が形成することで二層構造となる進化の道筋が明らかになりました。さらに、薄い円盤の形成時期は、重い銀河ほど早く、星の年齢から推定された私たちの住む天の川银河とおおよそ一致することが判明しました。本研究を通じて、円盤銀河がどのように形作られてきたか、そして天の川银河が宇宙の歴史の中で普遍的な形成過程を辿ってきたのか、という問いへの答えに近づくことが期待されます。本研究成果は、英国王立天文学会の学術誌Monthly Notices of the Royal Astronomical Societyで、2025年6月26日(英国時間)に掲載されました。
図1. 研究チームが発見した、二層円盤構造を持つ銀河(thin and thick disk galaxies)と一層円盤構造の銀河(thick disk only galaxies)の擬似カラー画像。宇宙初期には厚い一層円盤構造を持った銀河が多く、宇宙後期には二層円盤構造を持った銀河が多くなる。右下には銀河の赤方偏移z (大きいほど遠方?過去の宇宙に相当する)(注4)を示している。
Credit: NASA, ESA, CSA, T. Tsukui (Australian National University).
【用语解説】
注1. ジェイムズ?ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope:JWST):米航空宇宙局(NASA)がハッブル宇宙望遠鏡の後継機として2022年に運用を開始した宇宙望遠鏡。これまでの望遠鏡と比較し、およそ10倍の空間分解能、100倍の感度の観測が可能となりました。
注2. 天の川银河:渦巻き円盤銀河。地球が存在する銀河。1000億個以上の恒星が直径10万光年の円盤状に分布している。
【论文情报】
タイトル:The emergence of galactic thin and thick discs across cosmic history
著者:Takafumi Tsukui, Emily Wisnioski, Joss Bland-Hawthorn, Ken Freeman
*責任著者:东北大学大学院理学研究科 特任研究員 津久井崇史
掲載誌:Monthly Notices of the Royal Astronomical Society(王立天文学会月報)
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(研究に関すること)
东北大学大学院理学研究科天文学専攻
特任研究員 津久井 崇史(つくい たかふみ)
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(报道に関すること)
东北大学大学院理学研究科
広报?アウトリーチ支援室
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