2025年 | プレスリリース?研究成果
100℃以下の熱も高密度で蓄えられるナノシートを開発 低温廃熱の回収?再利用によりカーボンニュートラル実現貢献へ
【本学研究者情报】
〇金属材料研究所 准教授 冈本范彦
金属材料研究所 教授 市坪哲
【発表のポイント】
- 空気中の水分子を吸着?放出して蓄放热することが可能な层状二酸化マンガン(惭苍翱2)を厚さ数苍尘(ナノメートル。ナノは10亿分の1)のシート状に微细化することによって、蓄热エネルギー密度(注1)がバルク状に比べて3倍に向上し、100℃以下でも机能する低温蓄热材料を実现しました。
- これまでも注目されてきた130℃付近で生じる水分子の层间インターカレーション(注2)(バルク吸収)に加え、60℃以下で顕在化する表面吸着(注3)が寄与する二段阶蓄热メカニズムを解明しました。
- 蓄热温度域の拡大により、昼间の太阳热を夜间暖房へ転用する低炭素型ヒートマネジメント技术など幅広い蓄热応用が期待されます。
【概要】
脱炭素社会の実现に向け、200℃以下の低温廃热の有効活用が求められており、これを贮蔵し再利用する蓄热材料の开発が课题となっています。层状二酸化マンガンは、これまで约130℃で大気中の水分子を层间に取り込む、高密度かつ高速に蓄放热可能な材料として注目されてきました。
東北大学大学院工学研究科の吉迫大輝 大学院生、同大学金属材料研究所の岡本範彦 准教授と市坪哲 教授(日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 先端基礎研究センター 耐環境性機能材料科学研究グループリーダー兼任)らの研究グループと、日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 先端基礎研究センター耐環境性機能材料科学研究グループの田中万也 マネージャーは、層状二酸化マンガンを厚さ数nmのシート状に微細化することで表面積を大幅に増大させ、従来顕在化しなかった60℃以下での表面水分子吸着を顕在化させることに成功しました。その結果、吸着可能な水分子量は従来比約1.5倍、蓄熱エネルギー密度は約1.3倍に向上し、100℃以下という低温域での蓄熱動作が可能になりました。また、インターカレーション水と表面吸着水の収容サイト数をシート厚から予測するモデルを考案し、それぞれ固体的、液体的な状態で吸着されていることを解明しました。本成果は、低温域での蓄熱性能の設計指針を提供すると共に、昼間の太陽熱を利用した夜間暖房や、機械暖気、オフライン廃熱輸送、熱電変換との組み合わせによる場所?時間を選ばない発電など、多様な省エネルギー技術への応用が期待されます。
本成果は、2025年6月3日に、科学誌Communications Chemistryにオンラインで公開されました。
図1. 層状二酸化マンガンδ-K0.33MnO2?nH2翱の水インターカレーション反応
【用语解説】
注1. 蓄熱エネルギー密度
単位体积あるいは単位重量あたりの蓄热材料に贮蔵可能な热量。
注2. インターカレーション機構、インターカレーション反応
层状构造などの结晶がその结晶构造を保ったまま、イオンや分子を结晶构造中の空隙に収容する可逆的な化学反応。
注3. 表面吸着
イオンや分子が酸化物结晶などの表面に吸着する现象。
【论文情报】
タイトル:Utilizing surface water adsorption on layered MnO2 nanosheets for enhancing heat storage performance
著者:Hiroki Yoshisako*, Norihiko L. Okamoto, Kazuya Tanaka* & Tetsu Ichitsubo
*責任著者:東北大学大学院工学研究科吉迫大輝 大学院生、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所先端基礎研究センター耐環境性機能材料科学研究グループ マネージャー 田中万也
掲載誌:Communications Chemistry
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学金属材料研究所
构造制御机能材料学研究部门
准教授 岡本 範彦
TEL: 022-215-2728
Email: nlokamoto*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
TEL: 022-215-2144
Email: press.imr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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