2025年 | プレスリリース?研究成果
青色グアイアズレン色素の水溶性と酸安定性向上に成功 青色着色料として食品など幅広い展開に期待
【本学研究者情报】
〇多元物质科学研究所 准教授 冈弘树
【発表のポイント】
- 食品着色料への応用展开で疎水性が课题だった青色グアイアズレン(注1)诱导体(注2)を亲水性のポリアリルアミンに导入することで、高い水溶性を付与することに成功しました。
- 本手法による水溶性の付与により、グアイアズレン诱导体の酸性条件における安定性が向上することがわかりました。
【概要】
化粧品の着色剤などに用いられる环式炭化水素のグアイアズレンは、従来の天然由来の青色色素よりも彩度の高い青色を示し、医薬品にも採用されるなど高い安全性も确认されているため、青色色素としての食品の着色料への応用が期待されています。しかし、疎水性および酸性条件下での不安定性といった特徴が、水溶性の低下や劣化による青色の消失につながるため、食品の着色料への展开における障壁となっています。これまで、高い水溶性、酸性条件における高い安定性を併せもつ青色のグアイアズレン化合物の合成は成功していませんでした。
东北大学大学院工学研究科の木下耀大学院生および多元物质科学研究所の冈弘树准教授らと日东纺绩株式会社の五十嵐和彦上席技术统括厂痴らの共同研究チームは、亲水性の高いポリアリルアミンとの缩合反応(注3)により、グアイアズレンへの高い水溶性の付与と、酸性条件における安定性の向上を同时に达成しました。本手法は、これまで困难であった疎水性でかつ酸に弱い机能性分子の水环境での机能开拓に繋がることが期待されます。
本成果は、2025年5月20日付けで英国王立化学会による学術誌New Journal of Chemistryにオンライン掲載されました。

図1. グアイアズレン置換ポリアリルアミンの(a)合成方法 (b)写真
【用语解説】
注1. グアイアズレン:青色で疎水性の化合物。
注2. 诱导体:有機化合物の母体となる化合物の一部を変化させた物質。
注3. 縮合反応:官能基をもつ化合物から低分子がとれて新しい結合が生成する反応。
【论文情报】
タイトル:Hydrophilization of guaiazulene-based blue pigment: improving its stability in acidic conditions by substitution with polyallylamine
着者:木下耀、丸冈清隆、照内洋子、竹内実、五十嵐和彦、笠井均、冈弘树*
*责任着者:东北大学 多元物质科学研究所 准教授 冈弘树
掲載誌:New Journal of Chemistry
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学 多元物質科学研究所
准教授 岡 弘樹(おか こうき)
TEL: 022-217-5812
Email: oka*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学 多元物質科学研究所 広報情報室
TEL: 022-217-5198
Email: press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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