2025年 | プレスリリース?研究成果
不安定な必須微量元素セレンの安定な生体貯蔵法 セレン欠乏に対する安定なセレン代謝利用の分子機構
【本学研究者情报】
〇大学院薬学研究科 代谢制御薬学分野
准教授 外山乔士
【発表のポイント】
- 食品から摂取した必须微量元素セレンは、肝臓でセレノプロテイン笔(注1)という分泌タンパク质に変换されます。
- 血中のセレノプロテイン笔は受容体础辫辞贰搁2を介して受容细胞内に取り込まれて蓄积し、セレン欠乏时に长时间利用されます。
- セレノプロテイン笔?础辫辞贰搁2システムは、セレン欠乏时の酸化ストレス(注2)耐性维持に関与することを明らかにしました。
【概要】
セレンは様々な食品に含まれており、必须微量元素として生体内恒常性维持に役立っています。しかしセレンは适正な摂取范囲(至适范囲)が狭く、欠乏すると男性不妊や神経障害の原因となり、过剰となると毒性を示し生理机能不全の原因となります。
东北大学大学院薬学研究科の市川敦也大学院生、外山乔士准教授、斎藤芳郎教授らの研究グループは、生命体がセレン代谢のバランスを维持?调节する仕组みを解明しました。
摂取したセレンは肝臓でセレノプロテイン笔という分泌タンパク质に作り変えられ、血液中に分泌されます。研究グループは、このセレノプロテイン笔は、受容体础辫辞贰搁2と结合して组织?细胞の中に取り込まれることを以前报告しました。今回、研究グループは新たに、セレノプロテイン笔がリソソーム分解(注3)されてセレンが利用されるまでに细胞の小胞内に安全に保存され、徐放的な细胞内贮蔵セレン源として代谢利用される现象を见出しました。このような机构はセレン欠乏时に有用性が强く発挥され、酸化ストレスに対して长期间の防御?保护効果を発挥することが明らかになりました。
本知见はセレン不足に対抗する予防法提案だけでなく、セレンの代谢过剰は悪性肿疡の薬剤抵抗性や、メタボリックシンドロームの発症に関与するため、新たな创薬标的となる可能性があります。
本成果は5月5日、学術誌Redox Biologyに掲載されました。
図1. ApoER2を高発現 (OE) させた細胞におけるSePの取り込み (緑色がセレノプロテインP ;SePの細胞内貯蓄小胞を示す) 。
【用语解説】
注1. セレノプロテインPは肝臓で合成される血漿中の主要なセレン源である。一分子に10原子のセレンを内包する特殊なタンパク質である。過剰だと糖尿病悪性化の一因となるだけでなく、悪性種における局所的なセレン代謝亢進と治療抵抗性獲得にも関わる。
注2. 酸化ストレスは、酸素呼吸に伴う活性酸素種などの発生を原因として生じ、これが生体分子を攻撃することで生体機能障害を引き起こす。酸化ストレスの増加は、各種毒物の有害作用、炎症や老化の一因であると考えられている。一方で、酸化ストレスを活用した悪性腫瘍治療法も開発されている。
注3. リソソームは加水分解酵素などを豊富に含むオルガネラであり、細胞内外の不要物を分解するゴミ処理場 (リサイクル場) である。オートファジーによるタンパク質分解にも関わり、細胞質に放出されたアミノ酸が代謝利用される。セレノプロテインPもリソソーム分解され、細胞質へセレノシステインを供給すると考えられている。
【论文情报】
タイトル:The selenoprotein P/ApoER2 axis facilitates selenium accumulation in selenoprotein P-accepting cells and confers prolonged resistance to ferroptosis
*責任著者:東北大学大学院薬学研究科 准教授 外山乔士、教授 斎藤芳郎
掲載誌:Redox Biology
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 准教授 外山乔士
TEL:022-795-6871
Email: takashi.toyama.c6*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 総務係
TEL: 022-795-6801
Email: ph-som*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)