2025年 | プレスリリース?研究成果
室温に近い温度でスルフィドからスルホンを选択的に合成-高性能な六方晶ペロブスカイト酸化物ナノ粒子触媒を开発-
【本学研究者情报】
〇金属材料研究所 教授 熊谷悠
【発表のポイント】
- 酸素分子のみを酸化剤として使用し、室温に近い温和な条件でスルフィド酸化を実现。
- スルフィドからスルホンへの酸化が99%以上の选択性で进行。
- 多元素の组み合わせによる协奏効果を活用し、触媒の贵金属量を大幅に削减。
【概要】
东京科学大学(Science Tokyo)*総合研究院 フロンティア材料研究所の鎌田慶吾教授と和知慶樹特任助教、東北大学 金属材料研究所の熊谷悠教授らの研究チームは、マンガン(Mn)、ストロンチウム(Sr)、ルテニウム(Ru)を组み合わせたペロブスカイト酸化物(用语1)が、酸素分子(O2)のみを酸素源として、硫黄化合物であるスルフィド(用语2)を有用なスルホン(用语3)へと効率的に変换できることを発见しました。
酸素分子を酸化剤とするスルフィド酸化は高难度反応の一つであり、新しい固体触媒の设计と开発が切望されていました。特に、スルフィドからスルホンへの酸化では、酸素分子を触媒表面で活性化し、スルフィドの硫黄原子へ二つの酸素原子を効率的に移动させる必要があります。従来の触媒では、スルホンを选択的に合成するためには80℃から150℃程度の高温や多量の贵金属を必要とすることが课题でした。
本研究では、面共有酸素构造(用语4)を持つ六方晶ペロブスカイトSrMnO3に着目し、Ruを少量添加(ドープ)したナノ粒子触媒(SrMn1?xRuxO3)を设计しました。その结果、本触媒は室温に近い30℃でスルフィドを选択的にスルホンへと酸化することを见出しました。Ruをわずか1%ドープしただけでも触媒性能が飞跃的に向上するため、贵金属の使用量を大幅に削减することに成功しました。また、実験化学と第一原理计算(用语5)を駆使したアプローチによって、RuドープがMnを架桥する面共有酸素の反応性を増大させ、高効率なスルフィド酸化を実现する反応メカニズムを明らかにしました。本研究は、结晶构造の制御と多元素化の组み合わせにより、高性能な酸化物触媒を设计するための重要な指针を示します。
本研究成果は、4月3日付で米国Wiley社「Advanced Functional Materials」に掲载されました。
SrMn1?xRuxO3ナノ粒子触媒によるスルフィドの酸化反応
【用语解説】
用语1.ペロブスカイト酸化物:一般的にABO3という组成式を持つ迁移金属酸化物などの结晶。元素の构成により、物理?化学的性质を制御できるため、圧电体、强诱电体、磁性体、超伝导体、触媒などの分野で広く研究されている。理想的には顶点共有酸素构造のBO6の间に12配位のAがある立方晶构造であるが、Aがイオン半径の大きいアルカリ土類金属イオンの場合は面共有酸素构造を持つ六方晶構造になることがある。
用语2. スルフィド:スルフィドは?2価の硫黄原子が2个の有机官能基を结合した有机化合物である。スルフィド酸化は石油や天然ガス中から硫黄成分を除去する脱硫反応としても注目されている。
用语3. スルホン:スルフィドが酸化され、硫黄原子に酸素原子が2个结合したもの。医薬品、溶媒、机能性ポリマーなどとして使われる。
用語4. 面共有酸素构造、頂点共有酸素構造:酸素原子6個に囲まれた金属Mは、頂点と中心にそれぞれ酸素と金属を位置させた正八面体MO6で表すことができる。MO6八面体同士が頂点で結合したもの(金属同士が酸素原子1個で架橋)を頂点共有酸素構造、面で結合したもの(金属同士が酸素原子3個で架橋)を面共有酸素构造という。
用語5. 第一原理计算:実験で得られた結果を参照しないで構成元素と構造のみをパラメーターとし、系の電子状態やエネルギーなどを求める計算手法。
【论文情报】
掲载誌:Advanced Functional Materials
論文タイトル: Oxygen Defect Engineering of Hexagonal Perovskite Oxides to Boost Catalytic Performance for Aerobic Oxidation of Sulfides to Sulfones
著者:Keiju Wachi*, Masashi Makizawa, Takeshi Aihara, Shin Kiyohara, Yu Kumagai, Keigo Kamata*
*corresponding author
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学金属材料研究所
教授 熊谷 悠
TEL: 022-215-2106
E-mail: yukumagai*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学金属材料研究所
情报企画室広报班
TEL: 022-215-2144
E-mail: press.imr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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