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受容体のオンオフを制御する新たな仕組み ――立体構造解析から明らかになった脂肪酸の長さを認識する 受容体の構造基盤と開発薬が作用するユニークな機序――

【本学研究者情报】

〇大学院薬学研究科 分子细胞生化学分野
教授 井上飞鸟

【発表のポイント】

  • 私たちの健康に重要な働きを持つ短锁脂肪酸受容体(FFA2)について、クライオ电子顕微镜を用いて、作动薬と遮断薬がそれぞれ结合したFFA2の立体构造を解明しました。

  • 贵贵础2が短い脂肪酸のみを选択的に认识する仕组みを突き止めるとともに、FFA2を标的とする开発薬が予想外の部位に结合してFFA2の机能を制御する新たなメカニズムを発见しました。
  • この研究成果は、生活习惯病や炎症性肠疾患に対する、より有効性の高い新规治疗薬の开発につながることが期待されます。

【概要】

私たちの健康维持に重要な働きを担う短锁脂肪酸(注1)は、食物繊维が肠内细菌によって分解されることで作られる物质です。この短锁脂肪酸は、私たちの肠や脂肪组织、膵臓、免疫细胞の细胞膜上に存在する短锁脂肪酸受容体(FFA2)(注2)を介して、代谢や免疫の制御など、様々な生理作用を引き起こします。近年、FFA2は生活习惯病や炎症性肠疾患(注3)の治疗标的として大きな注目を集めており、すでに复数の治疗薬候补化合物が开発され、一部は临床试験にも进んでいます。しかし、FFA2がどのように短锁脂肪酸を选択的に认识し、またFFA2を标的とするこれら开発薬がどのようにその机能を制御するのかは不明でした。

东京大学大学院理学系研究科生物科学専攻(东京大学先端科学技术研究センター兼任)の九川真衣大学院生、东京大学先端科学技术研究センターの川上耕季东京大学特别研究员、同(大学院理学系研究科生物科学専攻兼任)加藤英明教授、东北大学大学院薬学研究科の木瀬亮次特任助教、井上飞鸟教授(京都大学大学院薬学研究科兼任)らの研究グループは、クライオ电子顕微镜(注4)を用いて、作动薬(注5)が结合した活性化型FFA2と、遮断薬(注6)が结合した不活性化型FFA22种类の立体构造を决定することに成功しました。得られた构造を精査したところ、FFA2を标的とする开発薬である作动薬4-CMTBと遮断薬GLPG0974が、これまで予想されていた场所とは异なる位置に结合することを见出しました。さらに、分子动力学シミュレーション(注7)や机能解析実験を用いることで、FFA2が短锁脂肪酸を选択的に认识する仕组みを解明するとともに、新しい作动?遮断机构によってFFA2の机能を制御することを明らかにしました。

本研究成果は、FFA2を标的とするより効果的な治疗薬の设计につながり、生活习惯病や炎症性肠疾患の新しい治疗薬开発を加速させることが期待されます。さらに、本研究で得られた作动薬?遮断薬の作用机构の情报は、FFA2以外の他の受容体に対する薬剤开発へ応用できる可能性があり、今后、様々な疾患に対する革新的な治疗薬の开発が进むことが期待されます。

本研究成果は、2025年3月26日(英国标準时)に英国科学誌「Nature Communications」のオンライン版に掲载されました。

本研究の概略図

【用语解説】

(注1)短锁脂肪酸
2-6个の炭素からなる脂肪酸。肠内细菌が食物繊维を分解する过程で产生される。酪酸、プロピオン酸、酢酸などが代表的な短锁脂肪酸である。

(注2)短锁脂肪酸受容体(贵贵础2)
肠内细菌が产生する短锁脂肪酸を认识する受容体の一つ。肠管上皮细胞、免疫细胞、脂肪细胞、膵臓β细胞など、様々な组织に発现しており、免疫系の制御や代谢の调节に重要な役割を果たしている。

(注3)炎症性肠疾患
肠に炎症を起こす病気の総称。主な症状として腹痛や下痢が见られ、溃疡性大肠炎やクローン病がこれに含まれる。

(注4)クライオ电子顕微镜
2017年にノーベル化学赏を受赏した技术。极低温环境でタンパク质试料に电子线を照射し、その投影像から立体构造を计算して求める手法。この手法によって、タンパク质の构造解析にかかる时间が大幅に短缩され注目を集めている。

(注5)作动薬
受容体に结合してその机能を活性化する物质。私たちの体の中には様々な受容体が存在しており、それらの机能を活性化する作动薬は多くの病気の治疗薬として使われている。

(注6)遮断薬
受容体に结合してその机能を抑制する物质。受容体の働きが过剰な场合に、その机能を抑制するために治疗薬として使用される。

(注7)分子动力学シミュレーション
コンピュータを使って原子レベルでの分子の动きを再现?解析する手法。実験では直接観察することが难しい、タンパク质の动的な振る舞いを理解することができる。

【论文情报】

タイトル:Structural insights into lipid chain-length selectivity and allosteric regulation of FFA2
著者: Mai Kugawa, Kouki Kawakami, Ryoji Kise, Carl-Mikael Suomivuori, Masaki Tsujimura, Kazuhiro Kobayashi, Asato Kojima, Wakana J. Inoue, Masahiro Fukuda, Toshiki E. Matsui, Ayami Fukunaga, Junki Koyanagi, Suhyang Kim, Hisako Ikeda, Keitaro Yamashita, Keisuke Saito, Hiroshi Ishikita, Ron O. Dror, Asuka Inoue* & Hideaki E. Kato*
掲載誌:Nature Communications
顿翱滨:

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问い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 分子細胞生化学分野
教授 井上飛鳥(いのうえ あすか)
TEL:022-795-6860
E-mail : iaska*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)

(报道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科?薬学部 総務係
罢贰尝:022-795-6801
E-mail : ph-som*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)

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