2024年 | プレスリリース?研究成果
細胞死の新たなバイオマーカーを発見! ―フェロトーシス細胞でのビリベルジン動態を計測―
【本学研究者情报】
〇大学院医学系研究科生物化学分野 教授 五十嵐和彦 非常勤讲师 西泽弘成
【発表のポイント】
- 鉄依存性の细胞死であるフェロトーシス(注1)时に细胞内のビリベルジン(注2)量が减少することを、シアノバクテリア(ラン藻)(注3)由来の光受容体タンパク質 (シアノバクテリオクロム) (注4)を用いて発见しました。
- ビリベルジンの减少は、フェロトーシスに特有の现象であることが分かりました。
- シアノバクテリオクロムによるビリベルジン测定は、フェロトーシスの新たなバイオマーカー(注5)として、がん治疗の効果や感受性の判定に役立つことが期待されます。
【概要】
ラン藻由来のタンパク质が、がん治疗の効果判定の键になる可能性を発见しました。フェロトーシスは2012年に报告された鉄依存性の细胞死で、生体内でがん细胞の除去机构として働くことが分かっています。また化学疗法や免疫疗法によってがんが缩小する际にフェロトーシスが起きることも明らかになっています。
東北大学大学院医学系研究科生物化学分野の西澤弘成非常勤講師、中嶋一真(現平鹿総合病院)、五十嵐和彦教授らと東北大学加齢医学研究所分子腫瘍学研究分野の田中耕三教授らの研究グループは、東京都立大学の成川礼准教授との共同研究により、シアノバクテリア由来の光受容体タンパク質であるシアノバクテリオクロムを用いて、フェロトーシス时に细胞内のビリベルジン量が大きく減少することを突き止めました。これはフェロトーシス特有の現象であり、ビリベルジンがフェロトーシスのバイオマーカーとして、将来、がん治療の効果や感受性の判定に利用できる可能性を示すものです。
本研究の成果は、2024年9月28日に日本生化学会英文誌The Journal of Biochemistryにオンライン掲載されました。概要はYouTubeの医学系研究科生物化学分野チャンネルでもご覧いただけます ()。
図1. フェロトーシス誘導時に細胞内ビリベルジンが減少する
(A) シアノバクテリオクロムで細胞内のビリベルジン量を測定した。フェロトーシス誘導剤の投与によって、ビリベルジンが多い細胞の割合が減少した。論文内では細胞内ビリベルジン量の平均値が下がることも示している。
(B) 概念図 細胞にフェロトーシス誘導刺激を加えると、細胞死 (フェロトーシス) が起きるとともに細胞内ビリベルジンが大きく減少する。
【用语解説】
注1.フェロトーシス
2012年に顿颈虫辞苍らによって新しく报告された细胞死机构。细胞内自由鉄(贵别2+)を触媒として细胞膜リン脂质の过酸化反応が连锁し脂质ヒドロキシラジカルが蓄积することで细胞が死に至ると考えられています。自由鉄を除去する鉄キレート剤の投与によって抑制されます。
注2.ビリベルジン
赤血球の主成分であるヘモグロビンの分解で生じる生成物。このビリベルジンがさらにビリルビンに変换され、肝臓に取り込まれ修饰されてから胆管を経て消化管に排泄されます。ビリベルジンには光を吸収する作用や还元作用、抗炎症作用もあることがわかっています。
注3.シアノバクテリア
光合成を行う细菌の一种。水中や湿润な环境に広く分布し、以前はラン藻とも呼ばれていました。
注4.シアノバクテリオクロム
シアノバクテリアが発现する光受容体タンパク质。この光受容体によって、シアノバクテリアは可视光を検知し、光合成などの细胞内机能を调节することができます。
注5.バイオマーカー
医学、薬学、生理学などの分野において、疾患や生理现象の有无や変化を予测するための指标となる数値や物质のことをいいます。
【论文情报】
タイトル:Intracellular biliverdin dynamics during ferroptosis
著者: Kazuma Nakajima, Hironari Nishizawa*, Chen Guan, Shunichi Tsuge, Mie Yamanaka, Machi Kiyohara, Riko Irikura, Mitsuyo Matsumoto, Kozo Tanaka, Rei Narikawa, and Kazuhiko Igarashi*
*責任著者:東北大学大学院医学系研究科 生物化学分野 西澤 弘成 東北大学大学院医学系研究科 生物化学分野 五十嵐 和彦
掲載誌:The Journal of Biochemistry
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科 生物化学分野
教授 五十嵐 和彦 (いがらし かずひこ)
TEL: 022-717-7595
Email: igarashi*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学大学院医学系研究科 生物化学分野
非常勤講師 (現:コロンビア大学Irvingがん研究センター研究員[米国])
西澤 弘成(にしざわ ひろなり)
Email: hnishizawa*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院医学系研究科?医学部広报室
TEL: 022-717-8032
Email: press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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