2024年 | プレスリリース?研究成果
環境変化の結末を「予測」できるのはどんな生態系? ネットワーク不確定性を生む生態学的メカニズムを理論的に解明
【本学研究者情报】
〇生命科学研究科 助教 川津一隆
【発表のポイント】
- 生态系のどのような特徴が、复雑な种间関係ネットワークに加わる撹乱の影响を予测困难にするのかはほとんど分かっていませんでした。
- 多様な种间相互作用のバランスが、そのようなネットワーク不确定性を引き起こす键であることを理论的に示しました。
- 环境変动が引き起こす生态系インパクトの予测可能性の理解だけでなく、撹乱の结果から因果関係を推定するネットワークの逆同定にも応用でき、生态学以外の様々な分野で重要な知见を与えうる研究成果です。
【概要】
第叁者を介した间接的な相互作用は、直接的な种间関係からは予期できない「敌の敌は味方」のような结果を引き起こすことがあります。特に复雑なネットワークでは、膨大な数になる间接効果が撹乱の影响を予测困难にすると考えられてきました。しかしながら、このネットワーク不确定性がどのような生态系で生じるかについてはほとんど分かっていませんでした。
东北大学大学院生命科学研究科の川津一隆助教は、ランダム行列理论(注1)と呼ばれる数学理论を用い、多様な种间関係のバランスが不确定性を创発する键であることを世界で初めて示しました。具体的には、不确定性は上位捕食者が卓越する食物网で一般的なのに対し、従来の予测に反して竞争/协力関係を多く拥する群集では起こりにくいことを明らかにしました。
本研究で提示した撹乱に対する生态系応答の予测可能条件は、生物多様性の保全に重要な示唆を与えるほか、结果から因果関係を推定するネットワーク逆同定にも応用でき、医学など他分野への発展も期待されます。
本研究の成果は、2024年6月27日付で科学誌Proceedings of the National Academy of Sciencesにオンライン出版されました。
図1. 間接効果による撹乱の予測不可能性。上位捕食者(オサムシ)が中間種(テントウムシ)とエサ(アブラムシ)を捕食する。矢印は直接的な捕食、破線はエサへの間接的な「敵の敵は味方」効果を示す(左図) 。線の太さで表される相互作用の強さに依存して、オサムシの増加がエサ種を増やす場合もある(右図) 。
【用语解説】
注1. ランダム行列理論
成分がランダムな値を取る行列を研究する数学の一分野。群集生态学では、群集行列の各要素がある确率分布に従うと仮定し、その统计的性质に基づいて生态系の安定性や侵入种が群集に与える影响の解析に用いられます。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科
助教 川津一隆
TEL: 022-795-6696
Email: kazutaka.kawatsu.d5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科広報室
高桥さやか
TEL: 022-217-6193
Email: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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