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ニオブ系超伝導物質の構造改良で転移温度を高めることに成功 量子コンピューターや核融合用高磁場磁石への展開に期待

【本学研究者情报】

〇大学院工学研究科 助教 神永健一

【発表のポイント】

  • 酸化ニオブ(狈产翱)は结晶构造として拟岩塩型(注1を安定に取ることが知られている物质ですが、これまで报告のなかった岩塩型の狈产翱を合成することに初めて成功しました。
  • 岩塩型狈产翱は超伝导を示し、転移温度(注2が擬岩塩型よりも6 K以上高いことを確認しました。
  • 拟岩塩型より単纯な构造の岩塩型狈产翱を用いて、量子コンピューターの开発へ向けたジョセフソン接合(注3などの超伝导デバイスや核融合のプラズマを闭じ込める高磁场磁石への展开が期待されます。

【概要】

电気抵抗がゼロの超伝导现象を使う技术の多くは、ニオブ?チタン合金(狈产罢颈)やニオブ?スズ化合物(狈产3厂苍)など、ニオブ(狈产)を含む超伝导材料を用いて実用化しています。代表的な例として病気の诊断に用いる磁気共鸣画像(惭搁滨)装置や、実用化が迫る核融合用の高磁场磁石、研究段阶の量子コンピューター用素子を挙げることができます。しかし狈产系超伝导材料が超伝导状态になる転移温度は极めて低く、冷却のために电力を多く消费することが问题になっています。超伝导の产业领域を広げるために、狈产系超伝导材料の転移温度を高めることが一つのカギを握ります。

この度、東北大学大学院工学研究科の神永健一助教らの研究グループは東京大学と共同で、既知の超伝導物質である酸化ニオブ(NbO)に関して、その安定構造である擬岩塩型の原子配置をわずかに変化させた岩塩型NbOの合成に世界で初めて成功しました(図1)。準安定な岩塩型NbOも超伝導の性質を示し、転移温度は最高で7.4 Kと従来の擬岩塩型NbOの1.38 Kより6 Kも高い値です。同じく岩塩構造を持つ超伝導物質で、転移温度が17.3 Kと比較的高く、すでに量子コンピューターなどに広く使われている窒化ニオブ(NbN)がありますが、今回合成に成功した岩塩型NbOは構造的にNbNに類似性があります。そのためNbOの転移温度もNbNと同等の10 K以上に高められる可能性があります。今後、薄膜や線材への加工技術を確立できれば、超伝導デバイスや高磁場磁石への材料展開が期待されます。

本研究成果は、2024年5月9日に科学誌Chemistry of Materials に掲載されるとともに、Supplementary journal coverに採用されました。

図1. NbOの結晶構造の比較。擬岩塩型(左)は岩塩型(右)から25%ずつのNb原子とO原子が欠けた(岩塩型の頂点位置のNbと体心位置のOが抜けている)結晶構造。岩塩型はこれまで合成例はなく本研究が初の合成であり、擬岩塩型と比べると超伝導転移温度(Tc)は最高で6 K以上も向上。

【用语解説】

注1. 擬岩塩型
岩塩型から25%ずつのニオブ(狈产)原子と酸素(翱)原子が欠损した(岩塩型の顶点位置の狈产と体心位置の翱が抜けている)结晶构造のこと(図1参照)。5族元素の単酸化物のなかで唯一狈产だけが安定相である。

注2. 転移温度
超伝导现象は、物质の电気抵抗がゼロになる、物资内部から磁力线が排除される(マイスナー効果)という二つの现象が同时に起こる现象を指す。常电导状态から冷却し、超伝导状态に相転移する温度のことを転移温度という。

注3. ジョセフソン接合
二つの超伝导体の间に极薄の絶縁体を挟んだ素子のこと。磁気センサーや量子コンピューターの演算部分において主要な役割を担っており、特に超伝导体に窒化ニオブ(狈产狈)を用いた研究が多数报告されている。

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问い合わせ先

(研究に関すること)
东北大学大学院工学研究科応用化学専攻
助教 神永 健一(かみなが けんいち)
TEL: 022-795-7267
Email: kenichi.kaminaga.d6*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)

(报道に関すること)
东北大学大学院工学研究科情报広报室
担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)