2024年 | プレスリリース?研究成果
磁石に潜む「電子の宇宙」の室温制御に成功 ~新規量子スピンデバイス実現に繋がる基礎原理に迫る~
【本学研究者情报】
〇电気通信研究所 教授 深见俊辅
【発表のポイント】
- 电子の量子状态が持つ「电子の宇宙」に相当する量子计量を、室温、卓上の磁性体中にて実験的に制御することに世界で初めて成功しました。
- 従来法则から外れた特异な电気伝导を検出し、これが制御された量子计量の証拠であることを解明しました。
- 新规伝导特性を用いた量子スピンデバイスへの新基盘を确立しました。
【概要】
一般相対性理论(注1)の効果として、强い重力の働く宇宙空间では、直进する光の経路が时空のひずみ(计量(注1))に沿って曲がることが良く知られています。この原理は骋笔厂に代表される全球测位卫星システム(骋狈厂厂)にも使われています。同様の现象が、物质中の电子の流れである电気伝导でも见られると理论的に予测されています。この特异な电気伝导を生み出すのが、物质中の电子が持つ量子状态のひずみ具合を表す量子计量です。本研究はこの「电子の宇宙」とも言える量子计量を、室温、卓上にて実験的に制御したものです。
今回東北大学のハン ジャーハオ(Jiahao Han)助教、内村友宏大学院生、深見俊輔教授、大野英男教授ら、及び日本原子力研究開発機構の荒木康史研究副主幹と家田淳一グループリーダーによる研究チームは、スピン(個々の原子が持つ磁気)が三角形状に配位したカイラル反強磁性体(注2)にて、印加磁场に追随して変化する特异な电気伝导信号を実験で捉えました。理论モデルの解析により、これが磁场で制御された量子计量に由来することを突き止めました。昨年米国のチームから极低温、高磁场での量子计量の制御が报告されていましたが、本研究はこれを室温、低磁场(卓上)で実现した点に革新性があります。
この知见は量子计量が织りなす电気伝导现象を理解し利用していくための第一歩であり、今后、整流器やセンサー等の新规量子スピンデバイスへと発展していくことが期待されます。
本研究成果は、2024年4月22日(英国時間)に物理学分野の専門誌Nature Physicsに掲載されました。
図1. 本研究成果の概念図。電子の量子状態の構造「量子計量」(右上)は、強く重力の働く宇宙空間(右下)と類似した構造を持ちます。本研究では、「電子の宇宙」に相当する量子計量を、磁場をかけ、カイラル反強磁性体のスピンの構造を介することにより、制御することに成功しました(左)。
【用语解説】
注1. 一般相対性理论、計量
一般相対性理论は強い重力の下での、物体や光の軌道を記述する理論です。重い天体によって光の進路が曲げられる「重力レンズ効果」、重い天体が動くことによって発生する波「重力波」などは、一般相対性理论によって予言され、実際に宇宙空間内で発生していることが観測により明らかになっています。この一般相対性理论において、重力の効果を表すために導入する4次元時空のひずみが「計量」です。物体や光の軌道は、この「ひずみのある時空」の中で定義した方程式により記述されます。
注2. カイラル反強磁性体
原子が叁角形を组み合わせた「カゴメ格子」と呼ばれる构造で配列し、隣接した原子が持つスピンが120度ずつずれた形で配向している物质(図1参照)。全体として磁力は持ちませんが、磁力を示す物质と类似した电気伝导の特性を持ち、注目を集めています。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学电気通信研究所
教授 深見 俊輔
TEL: 022-217-5555
Email: s-fukami*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(兼)東北大学先端スピントロニクス研究開発センター (CSIS)
(兼)東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター (CIES)
(兼)東北大学材料科学高等研究所 (WPI-AIMR)
(兼)稲盛科学研究機構 (InaRIS)
(报道に関すること)
东北大学电気通信研究所 総務係
TEL: 022-217-5420
Email: riec-somu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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