2024年 | プレスリリース?研究成果
地球のマントル中部に地震波異方性を発見 ―地震と火山噴火の根本原因の理解に重要な手がかり―
【本学研究者情报】
〇大学院理学研究科
地震?喷火予知研究観测センター
教授 赵 大鹏(ちょう たいほう)
【発表のポイント】
- フィリピン海の海底からの深さ700-1600 kmに顕著な地震波速度異方性(注1)を発见しました。
- マントル(注2)の中部と下部に现在のプレート沉み込みと无関係の古い异方性构造が存在します。
- マントル対流と地球深部ダイナミクスを理解する重要な手がかりとなります。
【概要】
地球内部の岩石には、地震波の伝播する方向によって速度が异なる「地震波速度异方性」という物理的な性质があります。この性质は地球内部での岩石の変形やプレート内の応力场(注3)、およびマントル対流のパターンなどを反映していると考えられます。
东北大学大学院理学研究科 地震?喷火予知研究観测センターの趙大鵬教授と中国科学院海洋研究所の範建轲(Jianke Fan)教授、李翠琳(Cuilin Li)准教授と董冬冬(Dongdong Dong)教授、及び中国科学院地質と地球物理研究所の劉麗軍(Lijun Liu)教授は、趙教授が開発した最新の地震波トモグラフィー法(注4)を用い、フィリピン海下深さ1600キロメートルまでの3次元地震波速度异方性构造を明らかにしました。これにより、マントルの中部と下部に现在のプレート沉み込みと无関係の异方性构造を発见し、约5千万年前の太平洋下部マントルフローの残り物であることがわかりました。本研究成果は、地震と火山喷火の根本原因であるマントル対流と地球深部ダイナミクスを理解する重要な手がかりになります。
本成果は、科学誌Nature Geoscienceに3月12日19時(日本時間)に論文としてオンライン掲載されました。
図1. フィリピン海プレート(Philippine Sea Plate)とその周辺地域の地形図。カラー三角は本研究で利用した地震観測点。緑三角は国際地震センターがコンパイルした定常観測点。赤三角は東京大学地震研究所が展開した海底地震観測点。紫三角は中国科学院海洋研究所が設置した海底地震観測点。鋸歯状線は海溝(trench)を表し、プレートが地球内部へ沈み込む入口である。
【用语解説】
注1. 地震波速度異方性:
ある物质において、地震波の伝播速度が地震波の伝播方向によって异なるという物理的性质です。地球内部岩石の変形、応力场およびマントル対流の方向やパターンを反映していると考えられます。
注2. マントル:
地球型惑星の内部で中心の金属核をとりまく厚い岩石層のこと。地球では厚さは約2900 kmで、地球質量の3分の2を占める。地球ではマグネシウム、ケイ素が多いカンラン石を主成分とする。
注3. 応力場:
地层にどのような力が加わっているかを示すもので、水平方向を基準にして押されていれば圧缩応力场、引っ张られていれば引张応力场といいます。応力场の変化は、プレートの运动に関係しています。特に日本のような沉み込み帯では、海洋プレートの沉み込みの方向と角度が応力场を変化させると考えられています。
注4. 地震波トモグラフィー法:
コンピュータで大量の地震波伝播时间などのデータを処理することによって、地球内部の3次元地震波速度および异方性の分布を求める方法です。その原理は医学分野の颁罢スキャンと同じです。周囲よりも高速度の地域を青色、低速度の地域を赤色で示します。高速度域は低温で硬い岩石、低速度域は高温で柔らかい岩石に対応します。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院理学研究科
地震?喷火予知研究観测センター
教授 赵 大鹏(ちょう たいほう)
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(报道に関すること)
东北大学大学院理学研究科
広报?アウトリーチ支援室
電話: 022-795-6708
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