2024年 | プレスリリース?研究成果
様々なトポロジカル磁気构造の作り分けに成功 ─超低消費電力電子素子の実現に一歩─
【本学研究者情报】
〇电気通信研究所 助教 土肥昂尭
【発表のポイント】
- トポロジカル磁気构造(注 1, 2)と呼ばれる磁気涡は、高い热安定性が期待され、革新的情报処理技术への応用に向けた研究が进められています。
- 反强磁性(注3)的に結合したメロン、アンチメロン、バイメロンと呼ばれる新奇なトポロジカル磁気构造(注2)を実现し、制御する方法を确立しました。
- 反强磁性トポロジカル磁気构造を用いた革新的情報デバイスの実現に向け、重要な知見となる成果です。
【概要】
近年、ナノメートルスケールにおいて極めて高い安定性を持つと期待されるトポロジカル磁気构造(注 1, 2)が革新的情报処理技术への応用に向けて研究されています。その代表例に磁気スキルミオン(図1左侧)があります。この磁気构造をうまく活用することができれば、従来の电子素子に比べて桁违いに消费电力を下がられると期待されています。
これまでに磁気スキルミオンを超えた第二、第三のトポロジカル磁気构造の実現が相次いで報告されています。しかしながら、どのような材料系で磁気スキルミオン以外の反强磁性トポロジカル磁気构造が安定的に実現できるのか明らかにされていませんでした。
今回、東北大学電気通信研究所の土肥昂尭助教、独マインツ大学のMathias Kl?ui(マティアス クラウィ)教授からなる日独共同研究チームは、二枚の強磁性層を極薄の非磁性層を介して人工的に反强磁性的に結合させた人工反强磁性体を用いて、磁気スキルミオンとは異なる反强磁性トポロジカル磁気构造の実現を試みました。強磁性層を系統的に変化させながら観測したところ、様々なトポロジカル磁気构造:メロン、アンチメロン、バイメロンを作り分けることに成功しました。
今回得られた知見を土台にして、様々な反强磁性トポロジカル磁気构造を用いる革新的情報デバイスの実現に向けた研究開発の進展が期待されます。
本研究成果は、2024年2月26日(英国時間)に学術誌Nature Communicationsに掲載されました。
図1. 反强磁性スキルミオンと反强磁性メロン?アンチメロンのスピン構造。矢印がスピンの方向を示している。スキルミオンでは、中心で上(下)向きスピンを持ち、外側に行くにつれそのスピンが回転し、最も外側の部分では下(上)向きスピン(180度回転)を示す。一方でメロンとアンチメロンでは、中心でのスピンの向きは、スキルミオンと同じだが、最も外側では、90度回転したスピンで終端される。また本研究で用いた人工反强磁性系では、上下の磁性層がお互い逆方向に結合し、"反"強磁性構造を形成する。
【用语解説】
注1. トポロジー
何らかの系のカタチを连続変形の観点から分类する几何学。良く知られた例としてドーナツとコップの例が挙げられる。ドーナツとコップは同じ穴の数を有しており、连続変形によってお互いに移ることができるが、球のような穴の数が异なる物体には移り変わることができない。ここで、穴の数はトポロジカル数と呼ばれ、この数が异なる系には、移り変わることができないため、ある种の安定性を意味している。磁性体では、磁気モーメント(図1におけるそれぞれの矢印)が球を何回覆うかという指标がトポロジカル数となる。
注2. トポロジカル磁気构造(メロン、アンチメロン、バイメロン)
トポロジカル数が有限なものをトポロジカル磁気构造と呼ぶ。代表例として良く知られた磁気スキルミオンはトポロジカル数が1をとるのに対し、メロンは±1/2、アンチメロンは?1/2という値をもつ。バイメロンは、メロンもしくはアンチメロンが結合することにより、再び1となる。メロンの英語表記は、フルーツのmelonではなく、meronであり、ギリシャ語で "部分"、"分数" の意味を持つ"μεροσ"にちなんで名付けられた。
注3. 反强磁性
隣り合う磁気スピンがそれぞれ反対方向を向いて整列し、全体として磁気モーメントを持たない磁性。强磁性体と接合することで强磁性体の磁気的な性质を大きく変化させる。
问い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学 電気通信研究所
助教 土肥昂尭
TEL: 022-217-5555
Email: tdohi*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学电気通信研究所総务係
TEL: 022-217-5420
Email: riec-somu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

![]()
![]()
东北大学は持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)を支援しています