2022年 | プレスリリース?研究成果
インスリン分泌に必要なセレンの働きを解明 ―膵β細胞の生存?インスリン産生に重要な作用を発見―
【本学研究者情报】
〇大学院薬学研究科 代谢制御薬学分野 教授 斎藤芳郎
【発表のポイント】
- 必须微量元素セレンを含む"セレノプロテインP(厂别笔)" 注1が、インスリンを分泌する膵β细胞の机能に重要な役割を果たすことを発见しました。
- セレノプロテインPが细胞内のセレン含有タンパク质を维持し、"フェロトーシス"と呼ばれる细胞死を抑制することを明らかにしました。
- セレノプロテインPがインスリン前駆体の分解を抑制し、インスリン产生?分泌に重要な役割を果たすことを明らかにしました。
【概要】
必须微量元素"セレン" 注2 は、体にとって必要な元素ですが、毒性が强いことも知られ、私たちの体の中では厳重に管理されています。そのセレンを多く含む"セレノプロテインP"は、主に肝臓で合成された后、血液中に分泌され、各臓器にセレンを运ぶ役割を担っています。インスリンを产生?分泌する膵臓β细胞がセレノプロテインPを発现することは知られていましたが、その役割は不明でした。东北大学大学院薬学研究科の斎藤芳郎教授と同志社大学大学院生命医科学研究科の北林奈々子氏、中尾昌平氏、叁田雄一郎助教らは、膵β细胞モデル惭滨狈6细胞のセレノプロテインP発现を低下させた结果、细胞内のセレン含有タンパク质が低下し、フェロトーシス注3と呼ばれる鉄依存的な脂质酸化反応を伴う细胞死が诱导されることを発见しました。さらに、セレノプロテインPの低下に伴い、インスリン前駆体が分解されることを见いだしました。このことから、膵β细胞が発现するセレノプロテインPは、フェロトーシス细胞死を抑制し、インスリンの产生?分泌を维持する重要な役割を果たしていることが明らかとなりました。今后、膵β细胞を保护する薬剤开発への応用が期待されます。
この研究成果は、2022年3月22日(火曜日)に米国科学誌『Free Radical Biology & Medicine』にオンライン掲載されました。
本研究は、文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(A)や新学術領域(生命金属科学)、AMED循環器疾患?糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業により実施しました。

【用语解説】
注1. セレノプロテインP(厂别笔):必须微量元素セレンを含むタンパク质で、肝臓で主に合成され、血液中に分泌される。分泌された厂别笔は、各臓器にセレンを运ぶ役割を果たす。厂别笔によって运ばれたセレンは、细胞内に存在するセレン含有タンパク质の合成に用いられる。细胞内セレン含有タンパク质として、反応性の高い酸素(活性酸素)を除去するグルタチオンペルオキシダーゼ骋笔虫が知られている。生体内には、25种类のセレン含有タンパク质が存在しており、セレノプロテイン碍など机能がまだよく分かっていないものも存在する。
注2. セレン:约200年前にスウェーデンで発见された元素で、月の女神"セレーネ"にちなんで名付けられた。反応性が高く、强い毒性を持つ一方で、必须微量元素であり、欠乏症や过剰症が知られる。セレンは鱼介类や肉类、穀物にも含まれている。セレンの必须な生理作用は、セレン含有タンパク质によって担われている。セレンは、活性酸素の除去や生体防御に重要であるが、过剰になると2型糖尿病など生活习惯病の発症リスクが高まることが知られている。
注3. フェロトーシス: 鉄依存的な脂質酸化反応(フェントン反応と呼ばれる)を伴う細胞死で、細胞内に脂質酸化物の蓄積が見られる。セレンを含むGPx4は、脂質酸化物を除去し、フェロトーシスを抑制することが知られている。GPx4が低下すると、脂質酸化物が増加し、フェロトーシスが誘導される。
问い合わせ先
东北大学大学院薬学研究科
教授 斎藤芳郎
电话 022-795-6870
E-mail yoshiro.saito.a8*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)

![]()
东北大学は持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)を支援しています