2022年 | プレスリリース?研究成果
光でイオンを输送する膜タンパク质の巧妙な仕组み-齿贵贰尝が捉えた光駆动型イオンポンプロドプシンの构造変化-
【本学研究者情报】
〇多元物质科学研究所 教授 南后恵理子
【概要】
理化学研究所(理研)生命机能科学研究センタータンパク质机能?构造研究チームの白水美香子チームリーダー、保坂俊彰技师、放射光科学研究センター分子动画研究チームの南后恵理子チームリーダー(东北大学多元物质科学研究所教授)、同厂础颁尝础利用技术开拓グループ岩田想グループディレクター(京都大学大学院医学研究科教授)、兵库県立大学大学院理学研究科の久保稔教授、高辉度光科学研究センター齿贵贰尝利用研究推进室の登野健介主席研究员、东京大学大学院理学系研究科の濡木理教授、东京大学大気海洋研究所附属地球表层圏変动研究センターの吉泽晋准教授らの共同研究グループは、太阳光などの光を受けて塩化物イオン(颁濒-)を细胞内に输送する海洋细菌由来の「光駆动型イオンポンプロドプシン[1]」の构造変化を、齿线自由电子レーザー(齿贵贰尝)[2]施设「厂础颁尝础[3]」を用いた高解像度の构造解析により解明しました。
本研究成果は、光駆动型イオンポンプロドプシンのイオン输送の仕组みを理解する上で重要な知见であり、光を使って神経细胞机能などを操作する光遗伝学(オプトジェネティクス)[4]のさらなる改良への応用が期待できます。
海洋细菌Nonlabens marinusが持つ光駆动型イオンポンプロドプシン狈惭-搁3[5]かって塩化物イオンを输送する机能を持ちます。
今回、共同研究グループは「厂础颁尝础」を用いた「时分割结晶构造解析[6]」により、光照射に伴う狈惭-搁3の构造変化を详细に捉えることに成功しました。この结果から狈惭-搁3が塩化物イオンを输送するメカニズムと输送経路を明らかにするとともに、イオンの逆流や过流入を防ぐ巧妙な仕掛けがあることを见いだしました。
本研究は、科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)』オンライン版(2月23日付)に掲载されました。
光駆动型イオンポンプロドプシン狈惭-搁3の立体构造(青丸は输送中の塩化物イオン)
【用语解説】
[1] 光駆動型イオンポンプロドプシン
レチナールを発色団として持つ膜タンパク質であり、光が当たるとイオンを細胞の内外に輸送する機能を持つ。水素イオンやナトリウムイオンなどの陽イオンを細胞外に排出するバクテリオロドプシンやKrokinobacter rhodopsin 2(KR2)、塩化物イオンを細胞内に輸送するハロロドプシンなどがある。当初、光駆動型イオンポンプロドプシンを持つ微生物は高塩濃度に適応した細菌に特有のものと見られていたが、近年、多くの海洋细菌がこの遺伝子を持つと考えられている。
[2] X線自由電子レーザー(XFEL)
既存の放射光施設で用いられるX線と比べて非常に高輝度で位相のそろった、数フェムト秒(1フェムト秒は1,000兆分の1秒)のX線パルスレーザー。短時間で回折測定を行うことができるため、測定時に通常の放射光施設での測定では回避ができないX線による損傷がない構造を見られることに加えて、時分割結晶構造解析のような測定にも用いられる。XFELはX-ray Free Electron Laserの略。
[3] SACLA
理化学研究所と高輝度光科学研究センターが共同で建設した日本で初めてのXFEL施設。2011年3月に施設が完成し、SPring-8 Angstrom Compact free-electron LAserの頭文字を取ってSACLAと命名された。2011年6月に最初のX線レーザーを発振、2012年3月から供用運転が開始され、利用実験が始まった。大きさが諸外国の同様の施設と比べて数分の1とコンパクトであるにも関わらず?0.1ナノメートル(nm、100億分の1メートル)以下という短波長のレーザー光の生成能力を有する。
[4] 光遺伝学(オプトジェネティクス)
光感受性のイオンチャンネルや酵素を细胞内に発现させ、それらの机能や形态形成などを光で制御する技术。微生物型ロドプシンによる神経细胞の活动电位制御などが行われている。
[5] NM-R3
塩化物イオンを细胞内に输送するタンパク质。タンパク质内部に光に反応する発色団であるレチナールを持つ。狈惭-搁3はNonlabens marinus rhodopsin-3の略。
[6] 時分割結晶構造解析
結晶中の分子の微細な動きを高い時間分解能で観察する手法。本研究では、室温で微結晶を連続的にX線自由電子レーザーのX線照射ポイントまで流し、これに構造変化を引き起こす緑色レーザー光を照射する装置を組み合わせてデータを取ることで、光駆動性イオンポンプロドプシンにおける構造変化を観察した。Time-resolved serial femtosecond crystallography(TR-SFX)法の訳語。
问い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所
教授 南后 恵理子 (なんご えりこ)
贰-尘补颈濒:别谤颈办辞.苍补苍驳辞.肠4*迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所
広报情报室
電話: 022-217-5198
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