2020年 | プレスリリース?研究成果
またしても、新种と知らずに食べていた!-食用海产巻贝类「シッタカ」の一种、クサイロクマノコガイ-
【発表のポイント】
- 日本各地の海岸潮间帯に产するバテイラ属(罢别驳耻濒补)の诸种は一般に「シッタカ」等と俗称され、食用に供されるなど比较的よく知られた海产巻贝类の一群です。
- その一员であるクマノコガイには、殻が漆黒色のものと緑褐色のものが见られ、后者にはクサイロクマノコガイの和名があるものの、これまでずっと同种(変异)と见なされてきました。
- ところが今回、分子系统解析や形态?生息环境の比较、古文献再読等を行った结果、両者は完全に别种で、しかもクサイロクマノコガイは有効な学名1)を持たない新种であると判明しました。
【概要】
东北大学东北アジア研究センターの山崎大志学术研究员、平野尚浩助教、千叶聡教授、および冈山大学大学院环境生命科学研究科(农)の福田宏准教授の共同研究チームは、「シッタカ」と呼ばれる海产食用巻贝の一群バテイラ属(罢别驳耻濒补)に属すクサイロクマノコガイが実は未记载种2)であったことを突き止め、学名を「Tegula kusairo」と新たに命名しました。この種は従来、一貫してクマノコガイ(Tegula xanthostigma)の種内変異(つまり異名、無効名)と信じられてきましたが、DNA塩基配列や形態?生息環境等の比較の結果、両者は完全な別種と認められます。本研究成果は日本時間12月10日、日豪共同刊行の軟体動物学雑誌「Molluscan Research」にオンラインで掲載されました。
2017年にはサザエが新种であったことが判明しましたが、今回もそれと类似した事例です。食用とされるごく身近な贝类ですら、分类未确定の种がいまだに少なからず含まれており、贝类の识别?同定?体系化の困难さが改めて浮き彫りとなりました。同时に本研究は、分子系统解析と形态比较等を组み合わせた多角的な検讨が、生物多様性の认识に贡献した好例とも考えられます。
図1. クマノコガイおよび、今回の新種クサイロクマノコガイの殻。
【用语解説】
注1:学名
动物の学名は万国共通の国际动物命名规约に则って命名?使用されます。同规约の条11.2によれば、学名とはアルファベットのみで缀られるものと定められています。このため、例えばクサイロクマノコガイの学名を「テグラ?クサイロ」などと片仮名で表记してしまうと、それはもはや学名ではありませんのでご注意ください。
注2:未记载种
学名がまだ与えられていない种をこのように呼びます。古今东西のあらゆる文献の総体を1册の巨大な书物とみなし、その中に「记载」することで新たな学名が成立するため、命名行為そのものをも记载と呼びます。この记载という语の意味がわかりにくいという理由で「新种として登録された」などの表记を频繁に见かけますが、新种はあくまで「记载」するものであり、「登録」するなどという言い回しは実在しないことにご留意ください。
问い合わせ先
东北大学东北アジア研究センター
担当 学术研究员 山崎大志
电话番号?贵础齿:022-795-7560
メール:锄补办颈.诲补颈蝉丑颈*驳尘补颈濒.肠辞尘(*を蔼に置き换えてください)