2019年 | プレスリリース?研究成果
異常ホール効果による磁化スイッチングに成功 スピントロニクス素子の従来技術とは一線を画す情報書込方法に道すじ
【発表のポイント】
- 鉄と白金からなる合金が、异常ホール効果(磁石に电流を流すと横方向に电圧が生じる现象)によって巨大なスピンの流れを创り出すことを発见。
- 异常ホール効果から创り出したスピンの流れを使って、磁石の极性をスイッチさせることに初めて成功。
- 今后、外部磁场を必要としないスピントロニクス素子における新しい情报书込技术としての进展が期待。
【概要】
スピンの流れ(スピン流(※1))を积极的に利用し、磁石の方向で情报を记忆するスピントロニクス素子は、半导体エレクトロニクスだけでは难しい机能性(例えば低消费电力化など)を実现できる次世代デバイスとして期待を集めています。しかしながら、スピントロニクス素子は、①电流とスピン流との変换効率をいかに向上させるか、さらに②どのようにスピン流を使って情报を磁石に书き込むのか、といった课题に直面しています。
今回、东北大学金属材料研究所の関刚斎准教授および高梨弘毅教授、同大学材料科学高等研究所の饭浜贤志助教らの研究グループは、スピン流を创り出す材料として鉄と白金からなる磁石の性质を持つ合金(鉄白金合金(※2))に着目し、上记2つの课题をクリアできることを実証しました。鉄白金合金の磁石の性质に由来した「异常ホール効果(※3)」を调べたところ、巨大なスピン流を创り出せることを発见しました。これは「スピン异常ホール効果(※4)」と呼ばれ、最近注目されるようになった现象です。これまでの报告よりも2倍近い効率で电流からスピン流へと変换できました。さらに、この鉄白金合金のスピン异常ホール効果によって创られたスピン流を、别の磁石である鉄ニッケル合金に流し込んだところ、鉄ニッケル合金磁石の向きをスイッチさせることに成功しました。これは、异常ホール効果により磁石に情报を书き込めることを意味します。
この成果により、従来スピントロニクス素子が用いてきた技术とは一线を画す情报书込方法の道が拓かれ、研究开発が今后加速するものと期待されます。
図1 (a) L10型鉄白金(FePt)規則合金の結晶構造の模式図。(b) 今回行った実験の概念図。FePt合金層 / 銅(Cu)層 / 鉄ニッケル(FeNi)合金層から成る巨大磁気抵抗膜に対して電流を流し、FePt合金層のスピン異常ホール効果によって生成されたスピン流がFeNi合金層の磁化に与える影響を実験的に調べた。
【専门用语解説(注釈や补足説明など)】
※1 スピン流
スピン角运动量の流れ。电子スピンは自転しており、(スピン)角运动量を持っている。この电子スピンを上向きスピンと下向きスピンに区别すると、上向きスピンの流れ闯↑と下向きスピンの流れ闯↓を用いて电流は闯↑+ J↓と表すことができる。一方で、スピン流は闯↑- J↓で表されます。闯↑と闯↓が异なる强磁性体では电荷の流れを伴うスピン流が生じ、上向きスピンと下向きスピンが同数存在する非磁性体では闯↑と闯↓が逆方向に流れることにより闯↑- (- J↓)の纯スピン流を生成することができる。
※2鉄白金(贵别笔迟)合金
面心正方晶の结晶构造を持ち、贵别层と笔迟层が结晶の肠轴方向に一原子层ずつ积层された尝10型规则合金。肠轴方向に大きな一轴の磁気异方性を有するハード磁性材料。磁気异方性の大きさはネオジム磁石などの希土类永久磁石材料にも匹敌する。
※3 ホール効果と異常ホール効果
x、yおよびzから成る直交座标系において、导体物质のx方向に电流を流し、z方向に磁场を印加すると、y方向に电圧(ホール电圧)が生じる。これは电子のうけるローレンツ力に由来し、ホール効果と呼ばれる。磁化を持つ磁性体では、ホール电圧に磁化の寄与が加わる。これは异常ホール効果と呼ばれる。
※4 スピン異常ホール効果
异常ホール効果によって発生したホール电流がスピン分极している(上向きスピンと下向きスピンの数に偏りがある)というアイディアから、异常ホール効果を介して电流からスピン流へ変换できる现象。
问い合わせ先
◆研究内容に関して
东北大学金属材料研究所
磁性材料学研究部门
関 刚斎
罢贰尝:022-215-2097
贰尘补颈濒:驳辞-蝉补颈*颈尘谤.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
◆报道に関して
东北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
冨松 美沙
罢贰尝:022-215-2144 贵础齿:022-215-2482
贰-尘补颈濒:辫谤辞-补诲尘*颈尘谤.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)