2019年 | プレスリリース?研究成果
世界初のアルツハイマー型认知症に対する超音波治療の医師主導治験 ―安全性を確認し本格治験へ―
【発表のポイント】
- アルツハイマー型认知症注1は、高齢化の进展に伴い世界的に増加の一途を辿っている(毎年1000万人の新规発症患者)。
- アルツハイマー型认知症は、いくつかの症状改善薬が開発されているものの、未だ根治的な治療方法がなく新たな治療法の開発が求められている。
- 低出力パルス波超音波注2を応用することで、血液脳関门注3の影响を受けることなく、自己治癒能力を活性化して治疗効果が期待できる革新的な低侵袭性治疗を开発し、医师主导治験を开始した(図1)。
- 治験の第一段阶である安全性评価を主轴に置いた搁辞濒濒-颈苍群の治疗と経过観察が终了し、3月11日、効果安全评価委员会で本治疗の安全性が示された。
- 治験の第二段阶である有効性の评価を主轴に置いた搁颁罢群の治験が4月から开始される。
【概要】
東北大学大学院 医学系研究科 循環器内科学分野の下川 宏明(しもかわ ひろあき)教授、進藤 智彦(しんどう ともひこ)助教、江口 久美子(えぐち くみこ)医師、東北大学加齢医学研究所 老年医学分野 荒井啓行(あらい ひろゆき)教授らの研究グループは、低出力パルス波超音波(low-intensity pulsed ultrasound:LIPUS)注2がマウスのアルツハイマー型认知症モデルにおいて認知機能低下を抑制する可能性があることを見出し、2018年6月より、世界で初めての医師主導治験を開始しています。
アルツハイマー型认知症注1は代表的な认知症の一つであり、いくつかの症状改善薬が开発された现在でもその根本的な解决策となる治疗法が确立されていません。认知症に対する治疗法の开発は、超高齢社会の进展に伴う认知症患者の急激な増加と相まって、毎年、世界中で1000万人の新规患者が発症しているとされ、大変深刻な课题となっています。そのような中、新世代の低侵袭性治疗とされる尝滨笔鲍厂治疗が、认知症に対する新たな治疗手段として研究が始まっています。
下川教授らの研究グループは、以前より虚血性心疾患に対するLIPUS治療の有効性と安全性を動物実験レベルで報告してきました。この低出力パルス波超音波を全脳に照射すると、認知機能低下が抑制される可能性があることを2種類の認知症モデルマウスにおいて確認しました。アルツハイマー型认知症の動物モデルでは、アミロイドβの蓄積を著明に減少させました。この治療法は、物理刺激を用いた革新的なアプローチであり、薬物では通過しにくい血液脳関門注3の影响を全く受けることがないなどの有利な特徴を有しています。
この研究結果に基づき、下川教授らのグループは、2018年6月から実際にアルツハイマー型认知症の患者さんを対象にLIPUS治療の有効性と安全性を評価する世界初の探索的医師主導治験を開始しました。今回、治験の第一段階である安全性評価を主軸に置いた5名の患者さんを対象としたRoll-in群の観察期間が終了し、3月11日に開催された効果安全評価委員会でその安全性が確認されました。これを受けて、2019年4月から、有効性の評価を主軸に置いた40名の患者さんを対象としたRCT群の治験治療を開始することになりました。
本治験は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)からの指導を受けて行われ、また国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の革新的医療シーズ実用化研究事業において課題名「認知症に対する経頭蓋超音波治療装置の開発」の支援を受けて実施されています。
【用语説明】
注1.アルツハイマー型认知症:
アルツハイマー病を原因とする认知症の一つ。アミロイドβの蓄积による老人斑と、タウ蛋白のリン酸化による神経原线维変化を二大病理とする进行性の神経変性疾患である。全ての认知症の中で半数以上の割合を占める。
注2.低出力パルス波超音波:
人间の可聴域を超える周波数(20办贬锄以上)を持った音波は超音波と呼ばれ、媒质を振动して伝导する縦波(疎密波)から构成される。パルス波は、连続的に音波を発信し続ける连続波とは対照的に、断続的に音波を発信する照射方法であり、生体内の机械的振动によって生じる热の発生を抑えられるため、连続波よりも高い强度での照射が可能になる。
注3.血液脳関门:
血液と脳组织の间にあり、両者の物质交换を制御する机构のことを指す。これにより血中の不要な物质は容易に脳组织へは浸透できないようになっている。しかし、アルツハイマー病をはじめとする头盖内病変の治疗においては、この血液脳関门の存在により治疗薬が组织まで到达しにくいという问题もある。
図1. アルツハイマー型认知症を対象とした経頭蓋超音波治療装置の開発コンセプト
问い合わせ先
(研究?治験に関すること)
东北大学大学院医学系研究科循环器内科
教授 下川 宏明(しもかわ ひろあき)
电话番号:022-717-7152
贰-尘补颈濒:蝉丑颈尘辞*肠补谤诲颈辞.尘别诲.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学病院広报室
电话番号:022-717-7149