2018年 | プレスリリース?研究成果
詳細調査で明らかになる震災被害の長期的な影響 ‐家屋被害の大きかった人で、 心理的苦痛、平均歩数、骨密度への影響が継続‐
【発表のポイント】
- 地域住民コホート调査*1の参加者を対象にベースライン调査*2から约4年后に2回目の详细调査を実施したところ、震灾被害による影响が一部で依然として続いていることが明らかになった。家屋被害の大きさと関连が示されたのは、心理的苦痛、平均歩数、骨密度だった。一方、贬产础1肠*3、颈动脉内膜中膜肥厚*4(Intima Media Thickness, IMT)、家庭血圧値の変化については現時点で関連は示されなかった。
- 尿中の狈补/碍比*5の経時的な測定により、塩分摂取量が高いと推定される人では血圧が上昇し、腎機能悪化のリスクが高くなっていることが観察された。簡便に得られる尿中の狈补/碍比の測定値が、長期的な健康影響を示す指標として有効に機能し得ることが明らかになった。
- 本健康调査は、数年以上の间隔をおいて同一の人の経时的な変化を测定している大规模调査であり、震灾后の调査としては世界にも例がない。重大な疾病が引き起こされる前に住民の健康についての报告が可能である点において、このような调査が震灾による长期的な健康影响の有无を确认する有効なものであることが明らかになった。
*これらの研究成果の主なものは2018年10月24日~26日に福島県郡山市で開催された"第77回 日本公衆衛生学会総会"にて発表されました。
【概要】
東北メディカル?メガバンク計画では地域住民コホート调査参加者に対し、ベースライン調査から約4年の間をおいて行う2回目の詳細な健康調査を2017年6月から開始しており、現在も継続中です。东北大学东北メディカル?メガバンク机构个别化予防?疫学分野の寳澤 篤教授らの研究グループは、
- 宫城県における2回目の详细な健康调査结果(2018年3月までに参加された方のデータを使用)
- 调査票による震灾被害の状况
を総合して解析した结果、いまだ震灾被害が検査データに影响を与えている项目が存在することが明らかになり、依然として被灾者への健康施策が重要であること、今后引き続き様々な影响について调査することの必要性が改めて示されました。
また、大规模に详细な健康调査を行った结果、疾病リスクと検査データ値の関连が明らかになった项目が発见されました。本调査を推进し、更に解析を行うことにより、新たな疾患マーカーやリスク因子が见付かる可能性があります。
本调査は、同一人物でほぼ同一项目について年単位の継时的な変化を见ることができる、世界でも例のない大规模健康调査です。この调査结果、そして今后调査を続けていくことによって得られる结果を元に、本报告に続き様々な知见が本调査からもたらされることが期待されます。
図1:家屋被害の大きさと心理的苦痛、平均歩数、骨密度との间に関连が见られた
【用语等説明】
*1. コホート調査:ある特定の人々の集団を一定期間にわたって追跡し、生活習慣などの環境要因?遺伝的要因などと疾病発症の関係を解明するための調査のこと。「地域住民コホート调査」は東北メディカル?メガバンク計画により実施している20歳以上の方を対象としたコホート調査。
*2. ベースライン调査:2013年から2015年にかけて実施したリクルート时の调査。
*3. 贬产础1肠:赤血球内の酸素を运ぶ血色素であるヘモグロビン(贬产)に血液中のブドウ糖が结合したもの。过去1~2か月における血糖値の平均を反映する指标で、糖尿病の诊断や血糖コントロール状况の评価に用いられる。単位は%。
*4. 頸動脈内膜中膜肥厚:頸動脈エコーにおける動脈硬化の評価の指標として最もよく利用される。血管は、一般に、内膜、中膜、外膜の3層からなるが、エコー所見では、内膜と中膜は判別不能であり、内膜と中膜の合わせた厚みを中膜内膜複合体厚(Intima Media Thickness: IMT)と呼び、動脈硬化の程度、心血管疾患のリスク指標になる。IMTの基準範囲は1.0mm以下であり、1.1mm以上が内膜中膜肥厚と診断される。
*5. 尿中狈补/碍比:塩分(ナトリウム)の摂取と野菜などに含まれているカリウム摂取のバランスを表す指标。狈补/碍比が高いと食事中の塩分が多い、あるいはカリウムが不足していることが考えられる。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学东北メディカル?メガバンク机构
个别化予防?疫学分野
教授 寳澤 篤(ほうざわ あつし)
电话番号:022-273-6212
(报道に関すること)
东北大学东北メディカル?メガバンク机构
長神 風二(ながみ ふうじ)
电话番号:022-717-7908
ファクス:022-717-7923
Eメール:f-nagami*med.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)