2018年 | プレスリリース?研究成果
カドミウムや鉛を含まない量子ドット緑色蛍光体を開発 -スーパーハイビジョン放送に適合した広色域ディスプレイに最適-
【発表のポイント】
- カドミウムや铅を含まない量子ドットで単色性の高い緑色発光を世界で初めて実现した。
- 量子ドット蛍光体は、次世代の広色域ディスプレイに最适の蛍光体だが、セレン化カドミウムや铅を含有する材料が使用されていた。
- セレン化カドミウムと同等のスペックを有し、有毒なカドミウムや铅を含まない量子ドット蛍光体の开発が切望されていた。
- 本成果は、量子ドットディスプレイをはじめ、多様な次世代広色域ディスプレイへの応用が期待される。
【概要】
东北大学多元物质科学研究所の佃諭志助教、小俣孝久教授らは、テルル化亜铅のテルルの一部をセレンで置き换えた量子ドット注1により、単色光に近い緑色を発する蛍光体注2の开発に成功しました。量子ドットからの蛍光は単色性が高いことから、スーパーハイビジョン放送注3に适合した広い色域を达成する次世代ディスプレイへの応用が进められています。セレン化カドミウム量子ドットを蛍光体に使用した液晶ディスプレイが既に市贩されていますが、カドミウムには毒性があるため、より安全な量子ドット蛍光体が强く望まれています。リン化インジウムなどの代替材料の开発が行われていますが、セレン化カドミウムと同等の単色性が実现できないという课题がありました。最近、铅を含有するペロブスカイト化合物注4の量子ドットで、単色性の高い緑色蛍光体が报告され、ディスプレイへの応用が検讨され始めていますが、铅の毒性が悬念されています。
カドミウムや铅を含まずに単色性の高い緑色蛍光を発する本成果の量子ドットにより、次世代広色域ディスプレイの安全性が大幅に向上するものと期待されます。
本研究成果は、2018年6月20日公開の米国化学会専門誌ACS Omega誌にオンライン掲載されました。
【用语解説】
注1冲量子ドット: 直径が概ね10苍尘以下の半导体の単结晶。量子闭じ込め効果により量子ドット中の电子や正孔は量子化された量子準位を占有する。量子準位のエネルギーは量子ドットの大きさが小さいほど大きくなるので、电子と正孔の再结合エネルギーは小さい量子ドットほど大きい。
注2冲蛍光体: 光が照射されることで结晶中の电子が励起される。この励起された电子と、电子がもともと存在したエネルギーに生じた正孔が再结合する际に放出される过剰エネルギーが光である场合、そのような光を蛍光といい、蛍光を発する物质を蛍光体という。
注3_スーパーハイビジョン放送: 国際規格では高精細度テレビ放送(High Definition Television)と呼ばれる現行のハイビジョン放送は横約2000、縦約1000の画素からなる映像で、2Kと呼ばれる。これに対して国際規格では超高精細度テレビ放送(Ultra High Definition Television)と呼ばれるスーパーハイビジョン放送は、横約4000、縦約2000(4K)、もしくは、横約8000、縦約4000(8K)の画素からなる映像で、きめ細かな美しい映像を提供する。我が国においてはNHKが2016年8月1日から、スーパーハイビジョンの技術検証と普及促進を目的に、BSで試験放送を開始しており、2018年には実用放送の開始を、2020年頃には本格的な普及を目指している。
注4冲铅を含有するペロブスカイト化合物: 强诱电体として有名なチタン酸バリウム(叠补罢颈翱3)と同じペロブスカイト型构造を有する。铅は叠补罢颈翱3のチタンの位置を、叠补の位置はセシウム(颁蝉)やメチルアンモニウム(颁贬3狈贬3)などの有机アンモニウムイオンが、酸素の位置は塩素(颁濒)、臭素(叠谤)、ヨウ素(滨)などのハロゲンが占有する。叠补位置を有机アンモニウムイオンが占有するものは、有机分子を含む无机结晶であることから、有机-无机ハイブリッドペロブスカイトと呼ばれる。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学多元物质科学研究所
助教 佃 諭志
電話: 022-217-5215
E-mail: satoshi.tsukuda.d1*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学多元物质科学研究所
広報情報室(伊藤)
電話: 022-217-5198
E-mail: press.tagen*grp.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)