2025年 | プレスリリース?研究成果
量子アニーリングを活用したデータセット浄化技術を開発 ―ラベルノイズを効率的に除去しAIの汎化性能を飛躍的に改善―
【本学研究者情报】
〇大学院情报科学研究科 教授 大関真之
【発表のポイント】
- 础滨开発における大きな课题である「间违ったラベルのついたデータ」を効率的に取り除く新手法を开発しました。
- ブラックボックス最适化(注 1)と量子アニーリング(注2)を组み合わせ、従来困难だった「検証误差の直接最适化」を実现しました。
- 実験では、D-Wave Quantum社の量子アニーラーを利用し、古典的なシミュレーターと比べてウォールタイム(実際の経過時間)で10倍から100倍の高速化が確認されました。
- 本研究结果は、大规模な実データを扱う医疗?产业分野への応用が期待されます。
【概要】
础滨の学习には大量のラベル付きデータが用いられますが、このラベル自体にノイズが含まれると训练済みモデルの汎化性能が着しく低下するという问题がありました。
东北大学大学院情报科学研究科大関真之教授らの研究グループは、同大学院研究科の大塚誠客員研究員(LiLz株式会社研究員)と、機械学習において問題となる「間違ったラベルのついたデータ」を取り除く新技術を開発しました。研究チームは、ブラックボックス最适化と量子アニーリングを統合し、ノイズフリーな検証データセットに対する検証誤差を直接最適化する枠組みを構築しました。従来の手法では困難とされてきた、組合せ的に膨大なデータ部分集合の探索を量子アニーリングにより効率的に実行することで、良質な解を高速に得られることが確認されました。数値実験タスクを用いて性能を検証した結果、本手法は誤ラベルによる悪影響が大きなデータを優先的に除去することが示されました。さらに、D-Wave Quantum社の量子アニーラーを用いた場合、古典的なシミュレータと比較してウォールタイム(実際の経過時間)で約10倍~100倍の高速化を実現しました。
本成果はデータクレンジングという重要课题に量子技术を応用した世界初の実証例であり、大规模実データや医疗?产业分野での展开が期待されます。
本成果は2025年 10月 29日科学誌 Scientific Reportsに掲載されました。
図1. 提案手法の概念図。研究グループは、ラベルノイズのある大量の学習用データセットのうち、複数の異なる「データの選び方」に対して、それぞれ「検証誤差」を紐づけ、その関係性から「検証誤差」が低くなりそうな「データの選び方」を検討しました。その選択に量子アニーリングを用いました。
【用语解説】
注1. ブラックボックス最适化
可能な限り少ない回数でブラックボックス関数の性质を理解し、この関数を最适化することを実现する為の手法です。基本的な考え方を记载します。まず、既存のデータセットからブラックボックス関数をモデル化する代理関数を定义します。代理関数に基づき、ブラックボックス関数の次の探索点を决定する获得関数を定义します。获得関数を最适化することで得られた次の探索点を実际にブラックボックス関数で评価し、得られた入出力関係を既存のデータセットへ追加し、代理モデルを更新します。この手続きを反復することでブラックボックス関数の最适化を目指します。
注2. 量子アニーリング
極低温において、原子や分子などの非常に小さいスケールでは、結果が確率的に変動する「量子揺らぎ」が存在します。これを利用して揺らすことでひっかかりのない安定した配置へ誘導する量子アニーリングと呼ばれる技術が 1998 年に東京工業大学の当時大学院生であった門脇正史氏(現:デンソー株式会社)、西森秀稔名誉教授から提案されました。カナダのベンチャー企業である D-Wave Systems 社が量子アニーリングの原理に従ったコンピュータを製作して販売をしています。原子や分子の振る舞いを調べる量子シミュレーションや、様々な可能性の中で最も良い回答を探索する最適化問題、人工知能の基盤技術となる機械学習への応用などが注目されています。この量子アニーリングでは、量子揺らぎにより、デジタル信号処理における0と1の重ね合わせ状態を作ることができます。この重ね合わせを巧みに利用することで、どちらの状態にあるのが最も相応しいのか、組み合わせ最適化問題における解答を探索することができます。
【论文情报】
タイトル:Filtering out mislabeled training instances using black-box optimization and quantum annealing
著者:Makoto Otsuka*, Kento Kodama, Keisuke Morita, Masayuki Ohzeki
*责任着者:东北大学大学院情报科学研究科(客员研究员)?尝颈尝锄株式会社(研究员) 大塚诚
掲載誌:Scientific Reports
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问い合わせ先
(研究に関すること) 东北大学大学院情报科学研究科
教授 大関 真之
TEL: 022-795-5899
Email:mohzeki*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院情报科学研究科
広報室 鹿野 絵里
TEL:022-795-4529
贰尘补颈濒:办辞丑辞冲颈蝉*驳谤辫.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)

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